身体的疾患はアルコールにより引き起こされているものなので、酒を断つ事により回復するケースもある。しかし数日単位での回復は無理で、数ヶ月?長いものでは数年ほど回復に時間がかかる事が多い。また、脳や身体に不可逆的にダメージを受けある程度以上は治癒しないケースもある。
アルコール性脂肪肝
肝臓に脂肪が蓄積され、放置すると肝硬変、肝臓癌へと進む危険を持つ。自覚症状は殆どない。
アルコール性肝炎
肝臓が炎症を起こし、肝細胞が破壊される病気。全身の倦怠感、上腹部の痛み、黄疸、腹水等の症状が出る。
アルコール性肝硬変
肝細胞の破壊が広範に起こり細胞が繊維化される病気。肝炎と類似の症状がでる。日本国内の患者数は4.5万人いると言われる。
アルコール性胃炎
胃粘膜の炎症である。慢性化して、胃潰瘍に発展する場合もある。胃痛、胸やけ、吐血等の症状。
アルコール性膵炎
膵臓の炎症で、慢性膵炎の約半数がアルコール性のものと言われている。腹部や背中の痛み、発熱等の症状。急性膵炎や慢性膵炎の急性増悪では、落命する事もある。
食道静脈瘤
肝硬変の副次的な症状として現れる。本来肝臓に流れるべき血流が、食道の静脈に流れることにより、瘤状の膨らみができる。万一破裂すると大量出血で命に関わることがある。
アルコール性心筋症
アルコールの影響で心筋がびまん性に萎縮して線維化が進行、心収縮力が弱まり血液を送り出す機能が低下する。
マロリー・ワイス症候群
飲酒の後に繰り返し嘔吐するため、出血を起こす。
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治療に向けての取り組み [編集]
既に触れたようにアルコール依存症の治療法は現在のところ断酒(断酒によって社会性を再獲得する)以外に無い。しかし、依存性薬物であるアルコールを断つ事は並大抵の努力ではなく、一生涯これを続ける事は想像以上の困難を伴う。この為、断酒をサポートする様々な試みがなされている。
断酒会
アルコール依存症患者とその家族によって作られた自助グループ。会費制で、組織化されており、外部に対してもオープンな姿勢を取っている日本独自の団体。断酒を続ける事を互いにサポートし合い、酒害をはじめ、アルコール依存に対する正しい理解・知識を広く啓蒙する活動を行っている。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)
断酒会の原型である。1930年代にアメリカ合衆国で始まり、世界180ヵ国以上に拡がっている。基本テキストである通称ビッグブックは、70ヶ国以上に翻訳されている。アルコール依存からの回復の為に「ミーティング」と呼ばれるグループワークや、「12ステップ」という回復のプログラムを用いる。プライバシーを守るため、また、個人よりも原理を優先させるために、フルネームは名乗らない。よって断酒会とは異なり、名簿や会費もなく組織化もされない。アルコール依存症者のみが参加できるクローズド・ミーティングと、家族や医療関係者など外部の人も参加できるオープン・ミーティングがある。更に、女性だけのミーティングや若者だけのミーティングもある。
抗酒薬
アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アセトアルデヒド脱水素酵素)の働きを阻害する薬品で、服用すると飲酒時に血中のアセトアルデヒド濃度が高まる為、不快感で多量の飲酒が出来なくなる。簡単にいうと、少量の飲酒で悪酔いする薬である。シアナミドとジスルフィラム(商品名は「シアナマイド」と「ノックビン」)の2種が日本では認可されている。これらは飲酒欲求を抑える薬ではない為、医師の指導の下、本人への充分な説明を行った上での服用が必須である。この薬を飲んで大量飲酒をすると命にかかわる危険があるからである。
また、地元の都道府県の精神保健福祉センターや最寄りの保健所ではアルコール依存症に関する無料相談を受けており、専門の病院を紹介してくれる事もあるので、困った時は1人で悩まず気軽に相談するといいだろう。
断酒の三本柱:通院、抗酒剤、自助グループへの参加。
そして HALTの法則
H:ハングリー(お腹を減らさない)
A:アングリー(怒らない)
L:ロンリー(一人にならない)
T:タイアード(疲れない)